TENERA

TENERA stories

革は使い込めば柔らかくなるもの。きちんとビジネスに対応できる四角いフォルムを基本としながらもソリッドになりすぎない革が主役のブリーフケースがつくりたい。

角張らないからこそ長く使えて味を出せる鞄を目指した結果、“柔らかい”という意味を持つ〈テネラ〉になりました。「硬く」しないために完成までたくさんの試作を重ね、いくつものディティールを積み上げています。

オイルをたくさん含んだタンニン鞣しにバッファロー風型押しをした牛革は長く使っていっても傷が目立たない風合い。切断面を見せないために折り込んで、表で縫わないことによって端を尖らせないようにした開口部。

ファスナーを内側に隠れるような位置まで低くしたのは金具を主張させないため。同じ理由でストラップやホックさらに小さなビスまでも余計な物は全て省きました。

反対に収納に関する機能は豊富に揃えています。
外側のポケットは雑誌やタブレットが入る大きなケースと浅底にして取り出し易くした小物入れ。内部は端にボトルホルダー。内ポケット4つ（ひとつはファスナー付き）をやや上部に配置することで内底に比重がかかるメイン収納とのバランスをとっています。

下に向かって少し拡がるマチは置いた際の安定性や見た目の素軽さを考えて出した寸法で底側まで回り込ませて角を消しました。最後に荷物をたくさん入れて持ち上げても重さでかたちが崩れないよう、本体を切り込んでから丸みのある把手を差し込み、手で縫い付けています。

毎日使って育てていただきたい鞄です。